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② 祇園寺開祖東皐心越禅師と光圀 その2 (日本篆刻の祖としての心越禅師編) [水戸]

昨日の台風ですが、山に囲まれた大子は雨も風もそれほどひどいことにはなりませんでした。

雨は50mm程度だったでしょうか?

雨が降って地下水に余裕が出たので池の水を抜いて高圧洗浄機で掃除しました。

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↑ 飲料水用の井戸と池用の井戸から水を入れ続けついに満水になりました。

午前中は池掃除の他、落ち葉や木の枝の後片付けで大変でした。

うちの裏庭は滝組に水を流していることから、「龍門庭」と名付けました。

実は、昨日の記事の祇園寺さんにも「龍門庭」があります。


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↑ 横浜の僧侶で作庭家の枡野俊明老師設計監修による祇園寺紫雲台前庭「龍門庭」です。

枯山水の滝組の石で流れをあらわし、光圀公と心越禅師をあらわす石もあります。
しばし、眺めて想像してみてください。

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↑ 心越禅師の法要の後、篆刻美術館館長松村一徳先生の講演がありました。

心越禅師は日本篆刻の祖といわれています。

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↑ これが篆刻です。

篆字という古い書体の漢字を印に刻みます。

先日紹介したように、書に落款を押す時に使います。

あの時の記事で諸橋先生の書だと分かったのは、この落款に彫られた漢字からでした。

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↑ こちらは、隷書で書かれた心越禅師の書です。

一般的に隷書は横長ですが、心越禅師の隷書は縦長です。

篆書は秦代の役人が使い公文書に用いられた漢字で、隷書は漢代の役人が使ったそうです。

心越禅師の書は、日本各地に額などとして残されていて、東京では、杉並区高円寺の西照寺の山号額、
文京区の高林寺、吉祥寺、長泉寺、港区の常林寺などでみられ、栃木県益子町の西明寺、大平町の大中寺などの名刹にも残されています。

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↑ 祇園寺本堂内の「得参摩提」額

このように中国より渡来した書家としても一世を風靡した心越禅師ですが、絵画、詩作、音楽などを通しても日本文化に大きな影響を与えました。

そのへんは、つづきの七弦琴編で詳しく述べます。

祇園寺開祖東皐心越禅師と光圀 その3 (七弦琴を日本に伝えた心越禅師編)へつづく・・・

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枝動

お掃除お疲れ様でした。広いので大変なことだと思います。
字は読めませんが、美しいと感じます。^^;
by 枝動 (2012-10-01 21:52) 

斗夢

現在の中国の文字は簡略化され味わいがなくなったように思います。
それに比べ、日本は素晴らしい!簡略化したとはいえ漢字が記号化されておらず、カタカナありひらがなあり。
by 斗夢 (2012-10-02 05:18) 

Silvermac

高圧洗浄機は便利ですね。
by Silvermac (2012-10-02 06:10) 

テリー

お掃除、ご苦労様でした。書は、難しいですね。
by テリー (2012-10-02 12:36) 

ミッチー

書もすばらしいが石庭もいいですね
by ミッチー (2012-10-02 16:17) 

袋田の住職

枝動 さん 落款というものをまさに芸術にしましたね。
バランスの美しさです。

斗夢 さん 漢字があって、カタカナ、ひらがなとある日本語は難しいですが、奥が深いですね。簡体字では漢字文化が衰退してしまうでしょう・・・

Silvermac さん これを使わないと手作業では一日かかってもきれいに取り除けません。便利なものができました。

テリー さん 書は奥が深いです。この年になっても新たな発見ばかりです。

ミッチー さん 見事な庭ですね。設計監修の人が禅僧ですので一味違います。
by 袋田の住職 (2012-10-03 09:34) 

kazoo

書はわかりませんが、アートとして拝見しています。
by kazoo (2012-10-03 15:41) 

mimimomo

こんにちは^^
池のお掃除って、鯉を移動したり大変何でしょうね。
台風のあとは片づけが手間ですよね。
今朝は昨日の19号の影響だったのか、柿の葉が大量に道路に散らばって
お掃除が大変でした。お寺のお庭って素敵ですね。
by mimimomo (2012-10-04 11:59) 

袋田の住職

kazoo さん 心越禅師の隷書はまさにアートですね。

mimimomo さん 鯉を傷めては元も子もないのでそこは慎重に行ってます。
水を抜くのは栓を抜けばよいので簡単です。
あとは高圧洗浄機に頑張ってもらいます。
柿の葉は重いので掃除が大変ですね。
by 袋田の住職 (2012-10-04 12:43) 

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