SSブログ

72年に一度、大祭礼が行なわれる神社 [信仰]

梅雨らしい、蒸し暑い日が続いています。

鬱蒼とした杉並木を登っていきます。

杉木立の中に入るとひんやりとした空気を感じます。

↑石段を登ると、山の上にある神社の拝殿にたどりつきます。

↑さらに急な石段を登ります。空気はひんやりしてますが、汗だくです。

↑神社の本殿はこの急峻な山の頂上にあります。

↑頂上の本殿に辿りつきました。

↑本殿は彫り物も立派で見事な建物です。

ここは、常陸太田市旧金砂郷町にある西金砂神社です。

常陸太田を本拠地として北常陸を領有していた佐竹氏に対し、

伊豆に挙兵した源頼朝は、参陣をうながしました。

しかし、平家政権で官位を得ていた佐竹氏は、参陣しませんでした。

富士川の戦いで平家に勝利した頼朝軍は、常陸に攻め込み謀略で佐竹忠義を討ちとりました。

急遽佐竹を率いることになった忠義の甥秀義は、常陸太田の本城を捨て、

金砂山城に陣を張り、攻め寄せる頼朝軍をさんざんに苦しめたといいます。

1180年のことです。

味方の裏切りで金砂山城は攻略され、秀義は花園山へ逃れ猿の助けで生き延びたという伝説があります。

やがて、秀義は、頼朝に帰順を許され、北常陸七郡を治める御家人になりました。

猜疑心の強い頼朝が秀義の帰順を認めた理由は、金砂山城での勇猛な戦いぶりと、

民心を掌握した治世術を評価したからだと言われています。

佐竹氏は関ケ原の戦いの後、秋田へ移封されましたが、ずっと領民からは慕われていました。

↑前回、平成15年(2003年)に行なわれた金砂磯出大祭礼です。

常陸大宮市諸沢地区で私が撮影しました。

東金砂神社と西金砂神社で山上にまつられている二つのご神体が、72年に一度、

遠く離れた日立市水木浜まで運ばれ、海で清められる神事が行なわれます。

その道中を500人規模の大行列で練り歩き、途中、金砂田楽が奉納されます。

次に行なわれるのは、2075年です。

西金砂神社(にしかなさじんじゃ)


nice!(51)  コメント(49)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行・地域(旧テーマ)

nice! 51

nice!の受付は締め切りました

コメント 49

お宝隆

そのとき歴史は動いたで、佐竹氏と頼朝の歴史を垣間見る機会がありました。
佐竹氏は、歴史の変革の時代を生きたのですね。
by お宝隆 (2007-07-08 16:23) 

袋田の住職

お宝隆 さん 一番乗りありがとうございます。
佐竹氏は当院の開基家でもあります。ですから寺紋は佐竹氏の赤い月の五本骨扇です。
佐竹氏は、八幡太郎義家の弟新羅三郎義光を祖とし、幕末まで大名として家名を存続させた源氏の名家です。
時代の節目では智恵と英明な決断で家を滅ぼすことなく存続させてきました。
その、最大のピンチが金砂山の戦いと関ヶ原の戦いでした。
領民に慕われていたのが家名存続のポイントだったといえるでしょう。
by 袋田の住職 (2007-07-08 16:28) 

のの

戸隠の奥社もこんな杉並木の参道です。
って戸隠には何十回もスキーで行っているのに、奥社は写真でしか見たことないんですけど…
雪のない季節に行きたいです。新そばの時期がいいかしら?
by のの (2007-07-08 16:37) 

こういうものを見せていただくと 日本にとても帰りたくなります
ありがとうございます
by (2007-07-08 17:18) 

SAMEDI

1枚目の写真、美しいですね。ひんやりした空気感が伝わってきます。
しかし、登るのは相当タイヘンそうですね^_^;
by SAMEDI (2007-07-08 19:20) 

ちゃわ犬

72年に一度の神事 
後継していくのが大変そうです^^
by ちゃわ犬 (2007-07-08 19:40) 

72年ですか?長いですね。^^
by (2007-07-08 19:57) 

まめぞう

民心を掌握した治世術・・・
現代の政治家にもっとも欠けている部分ですね!^^
by まめぞう (2007-07-08 19:59) 

ハム子

72年に一度ですかぁ。
by ハム子 (2007-07-08 20:07) 

ケンケン

実家は、頼朝に由来のある三島大社があるので、親近感がすごくわきました。
佐竹氏は、非常に実力があった大名で、もう少し、京に近かったらと
天下も狙えたのではないかと思っています。
by ケンケン (2007-07-08 20:17) 

そうそう茨城は水戸徳川が有名ですが、それ以前は佐竹氏が支配していましたよね。。頼朝と堂々と勝負した秀義、北条と対決した義重、家康に逆らった義宣、どれも勇将ばかりですね。。秋田に代わっても、幕末にはいち早く官軍に参加、佐竹一族は個性的な人ばかりですね。
by (2007-07-08 20:21) 

mochamama

72年に1度とは!
本殿、立派ですね。
祖先は佐竹藩に仕えていたそうです。
by mochamama (2007-07-08 20:22) 

kone

一枚目の雰囲気が好きですぅ〜♪(*^_^*)
by kone (2007-07-08 20:29) 

72年・・・。数え間違えることないのかなぁ・・・。
by (2007-07-08 20:33) 

月と、

素晴らしい場所ですね。その空気と香り浮かびます。
なんだか見たことある景色で癒されました。
by 月と、 (2007-07-08 20:45) 

由緒ある神社なのですネ。すばらしいところですが、登っていくのはたいへんです。
by (2007-07-08 20:48) 

袋田の住職

ののさん 海から山に登った神様は多いようです。
信州は由緒ある神社が多いですね。

mompeli さんそちらはこれから冬でしょうか?

SAMEDIさん今は車で社務所まで上がれますので便利になりました。

murasawa さん 平成15年の祭礼は、前回とだいぶ変わりました。
というのも、車やバスといった移動手段が出来たのでそれを活用したのです。

こうちゃん次回は私たちが115歳になる年です・・・。

エルモ さん 為政者に必要なことは民を思う心かと・・・

ハム子さん 一生に一度出会えるか出会えないかですが、二度出会える人もいます。

ケンケン さん かの伊達政宗を敗走させたのは佐竹義重です。
ちょっと都から遠すぎました・・・。

水郷楽人さん 詳しいですね!茨城県人より詳しいかも!

mochamama さん秋田と岩手も結びつきが強いですね。

koneさんアップしてから改めてみて奥行きのある写真だとわれながら感心しました。神々しい空気がとっても良かったんです。

ダックスふんどし さん 干支で数えるので間違えないようです。人間の年齢と同じですね。
by 袋田の住職 (2007-07-08 20:53) 

マリンかもめ

歴史は好きですけど、この話は知りませんでした。
(戦国時代に佐竹氏しか知りません)
面白い話をしていただき、ありがとうございます♪
by マリンかもめ (2007-07-08 21:11) 

この並木の中にいれば、少しは涼しそうですね。
登ると大変そうですが・・・・
つぎは2075年ですか、うーん、もう生きてないかな。。。
by (2007-07-08 21:17) 

Silvermac

マイナスイオンがイッパイですね。祭の周期が72年とは長いですね。
by Silvermac (2007-07-08 21:17) 

袋田の住職

月と、さん 神社というのは木々の中にあるのが多いですね。
信仰と結びついた鎮守の森に・・・

kazoo さん 1200年の歴史があります。

マリンかもめさん 源義光から始まる長い歴史絵巻は本当に面白いです。
今、寺だよりの中で連載しています。

タケノコ さんうちの子供たちは生きているかもしれません。
そうすると、二回出会えることに・・・
そう思って2003年の時は連れて行って見せました。

SilverMacさん 人生五十年の時代から72年でした。よく続いているものです。
by 袋田の住職 (2007-07-08 21:23) 

moonrabbit

凄い参道ですね。木が立派。
>空気はひんやりしてますが、汗だくです。
ちょっと笑ってしまいました。(^^;
by moonrabbit (2007-07-08 21:26) 

ぱふ

杉木立は、体調によっては目が腫れあがってしまう(アレルギーで)
罰当たりな私ですが、こういう神社を前にすると、自然に背筋が伸びます。
歴史や、みんなの祈りの重みを感じます。
by ぱふ (2007-07-08 21:47) 

柴犬陸

大河ドラマなどを観ていると、小説や歴史でしか知らない事柄が、多少のフィクションがあるとはいえ、現実に起こったことだと実感させられます。
この神社の本殿も、そうした歴史をくぐりぬけてきたのですね。
by 柴犬陸 (2007-07-08 23:28) 

森林浴100%の 杉並木の中を 歩いていくと 
心も すっきりしそうですね
by (2007-07-08 23:38) 

kohtyan

頂上の本殿は、素晴らしい建物ですね、ぜひ行って見たいです。
by kohtyan (2007-07-09 00:30) 

aranjues

凜とした空気が覆ってそうです。
最初の写真、熊野古道かと思いました。
by aranjues (2007-07-09 02:46) 

袋田の住職

moonrabbit さん その後、会議があったので汗が引かずに大変でした・・・

ぱふ さん 私も杉アレルギーです。でもこうした大木には敬意を表します。

柴犬陸 さん 武士たちも民衆もいつも命の危機の中で暮らしていたのですからいろいろなドラマがあったでしょうね。

みほ ちゃん 心が洗われます。

kohtyan さん 大きなお神輿みたいな繊細な建造物です。
大祭礼の時は見事なお神輿に乗って海まで出かけます。
72年に一度・・・

aranjues さん 1200年の歴史がありますので木立も鬱蒼としています。
by 袋田の住職 (2007-07-09 06:41) 

Baldhead1010

赤木議員の件、お気を悪くなされたら、すみません。
by Baldhead1010 (2007-07-09 07:45) 

☆kangeki☆

72年に一度ですか?この大祭に巡り会えない方もいるのですね。
拝見できただけでも 感慨深いです。ありがとうございます。
南こうせつさんのCDを聞きながら書いています。(*^_^*)
by ☆kangeki☆ (2007-07-09 11:49) 

袋田の住職

Baldhead1010 さん 気を悪くはしてませんよ!ちっとも!
大いに議論していきましょう!


kangeki☆ さん そよふくかーぜに~~♪ことりなき~~♪
良いですね♪
私は幸い巡りあう事ができました。
子ども達には長生きして二度めぐり合ってもらいたいと願っています。
72年って長いようですが、神様にとってはあっという間なんでしょうね・・・
by 袋田の住職 (2007-07-09 14:44) 

krause

うちの隣村でも72年に一度の祭りがあります。きちんと記録しておかないと、引継ぎと伝承が大変なようです。
by krause (2007-07-09 15:29) 

(。・_・。)2k

1枚目 惹き込まれました
良い所ですね(^^)
by (。・_・。)2k (2007-07-09 15:37) 

テリー

次の大祭2075年ですか、ちょっと生きていませんね
by テリー (2007-07-09 20:23) 

saripapa

こういう階段を見ると上りたくなります。
by saripapa (2007-07-09 20:33) 

あやこ

立派な杉並木ですね!!
石の階段に歴史を感じます^^
by あやこ (2007-07-09 20:43) 

お散歩爺

なんか行ってみたくなる神社です。何処もそうですが色んな謂れが有るんですね
72年に一度では神事が上手く引き継げるんでしょうか??
by お散歩爺 (2007-07-09 20:49) 

こう

杉に勢いを感じました。
神事が72年のサイクルで途切れずに続いているとは、スバラシイですね。
by こう (2007-07-09 22:54) 

せつこ

1枚目の階段の杉を見たとき、羽黒山かと思いました。
秋田の佐竹藩の宝物館や城跡を見てきましたが、来る前はそんな経緯が遇ったのですか・・・!
とても能力がありすぎて、幕府は江戸から離したと聞いたこともあります。
佐竹藩の治めた秋田市はとても良いところでした。
by せつこ (2007-07-09 23:22) 

すごい神社ですね。本当に神様がいそうです…2075年。それは見れない気がする。
by (2007-07-09 23:52) 

momoe

佐竹のお殿様が秋田に移るとき
城下の美人を全員連れて行ったので
秋田には美人が多いとか…
逆に考えると?
by momoe (2007-07-10 06:10) 

mippimama

お早うございます♪
由緒ある神社なのね〜
それにしても昔の方の、技術には感心する\(*^∇^*)/

縦縞を目指していますが....
無理かな....(Ω_Ω)
by mippimama (2007-07-10 08:32) 

袋田の住職

Krause さん五百人分の装束を再現するのが大変なようです。
前回のはサイズが小さすぎてほとんど使えなかったそうです。

(。・_・。)2k さんすぐも巨木はいい雰囲気を醸し出しますね・・・・

テリー さん我々は無理ですので、今生まれた子ども達が次回の大祭礼の中心になるでしょう。

saripapa さん 若いね~~

あやこ さん階段が昔の人のサイズなので細かすぎて降りるのが大変でした。

旅爺さん 親から子へ子から孫へと引き継がれてます。田楽は小祭礼でもやってますので田楽舞は伝統芸能として練習がなされてます。
すごいでしょう!

こうさん 日立の道沿いにあるエノキはみこしを休ませるため72年に一度植えられ、祭りの度に切るそうです。

せつこ さん 後に入った水戸徳川家は佐竹の評判に苦労したといわれてます。
それで、黄門さまはマメに領内順村をしたといわれています。

crystalmimi さん 我々の世代に次回はありません。多分、でももしかすると・・・

momoe さん 常磐沖のハタハタも常陸の美人も佐竹の殿様を慕って秋田へ行ってしまったとか・・・
その時、お寺も置いていかれました。
秋田には、同じ名前で新たにお寺を建立したようです・・・
ですから、茨城と秋田には同じ名前のお寺が多いです。
うちは、秋田へ連れて行ってもらえなかったほうで、同じ名前のお寺がありません・・・
by 袋田の住職 (2007-07-10 08:42) 

ゆっきぃ

72年・・・一生に一度の方が多いのに
きちんと繋がっていくのはすばらしいですねー!

あ、入部ありがとうございました。
名簿にお名前を載せさせていただきました。
今後とも宜しくおねがいします。
それにしても、ご住職が「妄想」・・・よろしいんでしょうか(笑)
by ゆっきぃ (2007-07-10 13:02) 

たいへー

趣きがあるなぁ・・・ 蝉時雨の中歩いてみたい。
by たいへー (2007-07-10 14:19) 

kenzi

奥深く厳かです。
by kenzi (2007-07-10 18:49) 

ゴーパ1号

2003年の大祭礼、こちらでも話題になりました。
72年に一度というのは、あまりにすごくて想像出来ません^^;
by ゴーパ1号 (2007-07-10 22:26) 

袋田の住職

mippimama さん 縦縞模様目指してください。私は市松模様を・・・

ゆっきぃ さん 仏教では妄想と書いて(もうぞう)と読みます。
修行の妨げとはなりますが、18番をいただいたのでがんばります。

たいへー さん夕暮れ時の蜩の声はみごとでしょうね・・・

kenzi さん 奥常陸の山中にある由緒ある神社です。

ゴーパ1号 さん話には聞いてましたが、本当に行われるとは思いませんでした。
前々回の時には袋田から歩いて観に行ったそうですよ。
行列ももちろん全行程が歩きだったそうです。
by 袋田の住職 (2007-07-11 07:22) 

U3

歴史話はなかなかたのしい。
民話でも伝承でも古来猿は余りよく云われる動物ではありませんが、
佐竹秀義は猿に助けられたのですね。
by U3 (2007-07-14 19:22) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0