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③近未来小説「円高の頃は、まだ、よかった・・・」その3 [小説]

今日は一日雨模様です。
近未来小説「円高の頃は、まだ、よかった・・・」の続きをお読みください。

最初からお読みになりたい方は、①にお戻りください。

 春休み
「お姉ちゃん、明日は楽しみだね。」
千津子は二段ベッドの上に寝ている姉の杏子に話しかけた。
「そうだね、おばあちゃんちに行くのは、2年ぶりだね。去年は、大震災や放射能騒ぎで行かなかったから。」

昇の実家は、福島県の喜多方市、毎年春休みには実家に行き、喜多方ラーメンを食べてくるのが楽しみだった。
去年の震災のあとは、潤子がナーバスになっていたので、こどもは連れずに昇が一人で行っていた。
昇の父は6年前に他界し、母、のり子一人が大きな家で暮らしている。
のり子の夫隆男は、お酒が大好きで、60歳で定年を迎えた翌年に亡くなった。

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